不登校と奨学金 身の丈に合った教育を
時代に取り残された浦島太郎のsabi-seijiです。
長女の高校進学にあたり、奨学金を借りるべく検討していた矢先、中学校から奨学金申し込みを希望するかどうかといった調査プリントがやってきました。
改めまして奨学金とはなんぞや?
奨学金制度とは、生徒が進学を希望しているにも関わらず、経済的な理由から学校へ行くことを諦めるといった問題に対して、経済的な支援をしてくれる制度のことです。
国や自治体、企業や銀行が、学費や進学にともなう費用を一時的に肩がわりしてくれる、ありがたい制度です。
おもに、返済しなくてもよい給付型と、返済義務のある貸付型があり、貸付型の中でも無利子のものや、利子を自治体が負担してくれるものなど、さまざまなタイプがあり、支給金額も違います。
わたし自身、高校進学の際に奨学金を利用していましたので、ある程度の知識はあるつもりでした。が!時代の流れとは恐ろしいもので、現在の奨学金制度は様変わりしていて、冒頭の浦島さん状態です。
「日本育英会」の奨学金が変わってた!
わたしが利用していた奨学金制度は、「日本育英会」による給付タイプの奨学金と貸付タイプの奨学金。
給付タイプの奨学金をGETするためには学力実績が必要でしたので、高校生のわたしは、奨学金のためだけに成績を維持しようと、ガリガリ勉強しておりました。目的は不純ですが、おかげで学力はそれなりにつきました。
在学中に制度が変わり、途中から貸付タイプに切り替えましたが、卒業後バイトをしながら毎月コツコツ返済し、結婚前に無事完済。
自分が恩恵を受けた「日本育英会」の奨学金を、長女の進学にも利用しようとHPを思い調べてみたところ…
なんと名称が変わってる!
しかも、
大学院・大学(学部)・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)で学ぶ学生・生徒を対象として、第一種奨学金(無利息)・第二種奨学金(利息付)を貸与しています。
引用元:行政独立法人「日本学生支援機構」
となっていました。
やや!高校で対応しているところが高等専門学校のみになっている!
驚きです。今は制度が変わり、高校の授業料が国からの給付金により実質無料化した種でしょう。
不登校の子供と奨学金の申し込み資格
奨学金の申し込み資格として、よく目にするのが「所得状況」「成績」「健康」この3点です。
そりゃあ奨学金ですから、国や自治体が優秀な人を育てるという投資の意味が大きくありです。返済が滞ったりすると事業としても立ちゆきませんから「できるだけ優秀で、経済的に困っている人をサポートしてあげたい」と条件を設けるのもうなずけます。
この条件をわが家で検討してみました。
わが家は小規模自営業世帯ですから、所得上限はまずクリアすることが多い。
が、問題は長女が不登校だということです。現在は登校できていますので、不登校だったと言うべきでしょう。
1・2年生の頃はテストも受けていませんでしたので、通信簿は空欄も多く、評価は低迷しています。うーん、そこそこの実力はあると思いますが「成績優秀」では…ないですね。
さらに、「起立性調節障害」で不登校の間の欠席理由は「病欠」となっているため、「健康」とは…いえませんね。
これで資格があるといえるかどうか私にはわかりません。そこで、中学校の先生に奨学金について相談してみました。
申し込みだけしてみては?
奨学金の募集資格について、相談をしたいと学校へ申し入れてみたところ、担任の先生と進路指導の先生が対応してくださいました。
奨学金の申し込みをした方はご存知かと思いますが、「申し込み」と一言にいいましても、所得の証明、学力の証明、申し込み理由など、ひとつの申し込みに結構な書類を揃えることになります。もちろん、貸付タイプの場合、保証人の署名も必要です。
成績に明確な条件を設けているところもあり、モノによっては長女の成績ではクリアできないものもあります。
だからこそ条件に合った奨学金に的を絞って応募したいと考えました。
先生は、アッサリと
「奨学金の合否判断の基準は中学校の方からは何ともいえませんので、申し込みだけでもしてみてはいかがですか?」
とお答えくださいました。
「それは承知の上ですが、手当たり次第、申し込めと?先生、随分サラッとおっしゃいますね?(泣)」
思わず心の中でつぶやいてしまいました。 ええ。字を書くのは苦手ですが、書きますとも!頑張り…たい。
しかし、この相談で新たにわかったこともありましたので、結果としては相談してよかったと思います。
なかなか先生との心の距離は縮まらないなぁ。
「県の無利子貸付タイプ」と「自治体の貸付タイプ」の奨学金
数種類ある奨学金の中から、県による無利子貸付タイプの奨学金と自治体による貸付タイプの奨学金に絞って申し込みをしようと決めました。
奨学金の申し込み期限には大きく分けて2種類あります。
◼️ひとつは「中学校在学中の秋」予約採用
これはおそらく、「家庭の経済状況」の審査の対象が昨年の確定申告となるのでは?と想像します。
◼️もうひとつは「高校入学後の春」在学採用
こちらは今年の確定申告が審査対象になるのでしょう。
県の奨学金はいわゆる「予約採用」。中学校在学中の11月に申し込み、卒業時には結果が出るため、早めに奨学金を受けられるというメリットがあります。
対して自治体による貸付タイプの奨学金は「在学採用」学業レベルの条件がほかよりも緩く設定されている上、利子の部分を自治体が負担してくれるため、無利子と同じ条件での貸付となるのです。さらに卒業後、地元で就職すれば元本も無料になるという特典付き。
給付でなくても「無利子」は魅力的です。
県の奨学金が不採用だった場合、自治体の奨学金に申し込みしようと考えています。もしくはその両方。なぜならば娘の望む「県外の全寮制私立高校」は、わが家の経済状況から考えれば高嶺の花なのです。
・身の丈に合った学校を選べばいいのでは?
たしかにその通りです。
しかしそれでは、高校へ入学したものの、また行けなくなってしまうだろうと思います。
多少無理をしてでも、チャンスを与えてあげたいと思いますので、できる限りは手を尽くしたいと思います。
一銭にもならないプライドなどに未練はない!いさぎよくポイっと捨てて、奨学金の申し込み理由には、わが家の困窮具合を目一杯訴えようぞ!
まとめ 不健康で成績がつかない不登校児はどうなるの?
わが子もそうなのですが、不登校の子供達って、公立高校よりも自由度の高い私立や通信高校を選ぶ子が多いかと思います。
=高額orz
それに加えて通信簿は空欄が目立ち、心身ともに健康とは言い難い状況の子も多くいます。
それをサポートできるだけの財力があれば問題はないのですが、パンピーにはツライ。頼みの綱は奨学金なのですが、現状の奨学金支援ではスポットに落ちちゃう家庭も多いのでは?と感じました。
高専には「日本学生支援機構」、親を亡くした子供たちには「あしなが育英会」、ひとり親世帯には「全国母子寡婦福祉団体協議会」
成績や健康に左右されない、不登校や凸凹ちゃんに特化した奨学金があると安心だな、と思いました。