つねにふりだし【 起立性調節障害と不登校 】

起立性調節障害から不登校になった娘との日常

あいさつ運動の不思議

こんにちはsabi-seijiです。

 

「おはよう」「こんにちは」「またね」日本には様々な「あいさつ」があります。

 

とりわけ、日本人はこの「あいさつ」に対してただならぬ思いがあるようで、「あいさつは生活の基本」という意識が強くあります。学校の前では、今朝も生徒さんたちが並んでする「あいさつ運動」が行われています。

 

じつはわたし、この「あいさつ運動」が苦手なんです…

 

もちろん、家族にも欠かさず「あいさつ」しますし、近所のおばちゃんたちにも、道で出会う人たちとも自然に「あいさつ」を交わします。

 

では何が苦手なのかというと、学校の前で半強制的に行われている「あいさつ運動」が苦手なのです。

 

長女の通う中学校では、生徒のほぼ半数が道の両側に10数メートルにわたってズラッと並び、歩いている人にはもちろん、車に対しても間髪入れず、あいさつをしてくれます。中学校の先に小学校があるため、次女を送っていく際には、その前を車で往復しなければなりません。もちろん、行きも帰りも最敬礼で

 

「おはようございます!!!」

 

すごいんですよ…車を運転していてもちゃんと聞こえるんです。そりゃあもう、どこぞの親分さんにでもなった気分ですよ。

 

 

朝だけではなく、不登校である長女の担任と面談するため学校を訪れる際にも、生徒さんたちは素晴らしいあいさつをしてくれます。しかしある時、鍵を手に持って明らかに急いでいる感じの生徒さんが、うっかり私の前を無言で通り過ぎました。

 

「ああ、これから部活なのか。頑張ってるね〜^^」

 

と微笑ましく思っていたら、職員室から先生が、

 

「おい〇〇!あいさつしたか?!」

 

少しの間、先生に注意されてしまいました。その子は早く行きたくてウズウズしながらも、きちんと一度私の前まで戻ってきて「こんにちは」と言い、足早に去って行きました。

 

「すみませんお母さん、生徒があいさつできなくて。きちんと指導しておきます。」

 

............

 

 

イヤイヤイヤ、とーんでもないっス!

 

生徒さん、素晴らしかったですよ!

急いでるのに、わざわざ戻ってきてくれましたよ!

むしろ、ほめてあげてください!

 

普段はきっとあいさつを忘れないだろう、感じのいい生徒さんです。急いでいて気がつかなかっただけだと、鈍い私でもわかります。「急いでいる時に私と出会ってしまったがために、貴重な時間を使ってしまってゴメンよ〜。」と気の毒になりました。

 

あいさつは本来、会話のはじめに「今からわたしはあなたに話しかけますよ」という意思表示であり、自分を相手に認識してもらうための語りかけの言葉です。親しい人に親しみを込めてする行動のはずです。

 

強要されて「あいさつ」できるようになるとは思えないし、強要されることで「あいさつ」が嫌いにならないで欲しいなぁとも思います。形式なんてだいたいでOK。アメリカ人の友人は朝でも夜でも「Hello!」「Hi !」です。

 

その時の事情や性格は、その人それぞれです。恥ずかしがり屋の生徒が精一杯の勇気を振り絞って発声したあいさつに、わざわざ「声が小さい!」と言うことは必要なことでしょうか?

 

急いでいる生徒を呼び止めて「あいさつしなさい」と説教するのは必要なことでしょうか?

 

「あいさつ運動」は見知らぬ人に話しかける度胸をつける練習にはなるでしょうが、行き過ぎた指導に対しては疑問が残りますし、せっかくの試みが逆効果になってしまう恐れもあります。

 

「あいさつ」はコミュニケーションを円滑にしてくれる、素晴らしい言葉です。大切な言葉だからこそ、子供達に楽しく、正しく伝えられるようような大人になりたいな。(もう大人だけど…)と感じた出来事でした。

 

 

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