小さな緑のフワフワ
こんにちはsabi-seijiです。
今日は、私がアイコンに使用しているメジロについてお伝えしたいと思います。
ピーとの出会い
あれは数年前、ある日学校から帰ってきた次女がメジロを連れて帰ってきました。
そのメジロは学校の用務員さんがジョギングの途中で見つけたのだそうです。毛は生えそろっていたものの、まだ筆毛と呼ばれる状態が残っていました。
筆毛とは、生えたばかりの羽毛のことで、ストローのようなものに包まれているのです。このストローが外れると、みなさんご存知の、フワフワした羽になるのですね。
その状態のメジロのヒナに出会うことは、田舎といえども、そうそうありません。おそらく巣立ちの直前か直後かな?という感じでした。
野鳥のヒナは、私たちが想像するよりも早い段階で巣立ちます。巣立ちだからといって、いきなり飛び立つ訳ではありません。巣の近くの枝に止まり、親鳥からエサをもらいながら飛ぶ練習をし、だんだんと巣から離れていくのです。
そのため、巣立ち直後のヒナを落ちていると勘違いし、誤って保護してしまうことがあるのです。
その用務員さんによると、高いところに木が生えていて、おそらくはそこから落ちてきたのだろうということでしたが、しばらく離れて見ていても親鳥が近く気配もなく、頭上の木に戻すには無理と判断し、大人のメジロ用のゼリーを与えて、1日自宅で保護していたそうです。
鳥を飼ったことのある人ならば知っていると思いますが、雛鳥の餌やりは、まとめてあげることができないので頻繁です。だいたい1時間おきくらいでしょうか。
仕事を持っている人には大変ですし、ゼリーはあくまでおやつ用。きちんとしたエサを準備する必要があります。そのため、以前、スズメのヒナを育てていた我が家にやってきたのです。
私たちはそのメジロをピーと名付け、ウグイス用のスリエサを準備し、慎重にピンセットで喉の奥に入れて食べさせました。
野鳥は飼っちゃダメ?
順調に大きくなりましたが、相手はあくまで野鳥です。野鳥は、法律で飼ってはいけない鳥です。ただし、スズメもそうですが、あくまでも野生に戻すまでの一時保護は認められています。
どんなに離れたくなくても、いつかは放鳥しなければならないのです。そのためには野生でも生きていけるよう、スリエサだけでなく小さな昆虫を弱らせてあげたり、みかんやブドウなどの果物をそのまま与えていました。
もちろん、飛ぶ力をつけるために家の中で放し飼いにしたり、水浴び場も準備していました。自分でエサを食べれるようになってからは極力触れ合いを避け、時々追いかけて怖がらせていました。
人間になついちゃダメですからね。
困ったこと
しかし、困ったのはフンの後始末…
どの鳥も、ヒナのうちは、ご飯の後にお尻をフリフリして、フンのタイミングを知らせてくれます。
メジロには、お気に入りの止まりポイントがあり、フンはその付近に集中しますから、新聞紙をひいて対処しました。
部屋のいたるとことに新聞紙が貼られているのも、放鳥目的ですから仕方ありません。
驚くべき野生の力
野鳥を育ててみて一番驚いたことは、DNAに刻まれている野生の力です。
誰に教えられるまでもなく、毛づくろいを始め、水浴びをし、メジロ特有のホバリングをし始めます。ある日突然にですよ!
メジロをあんなに近くで見るまで知らなかったのですが、胸の筋肉がすごいんです。
メジロって、細マッチョなんですね!女の子でしたけれど…
くちばしが黄色から黒に変わってきた頃、彼女は鳥かごから元気に飛びたって行きました。躊躇することも、振り返ることもなく…
すぐにカラスや猫に襲われてしまうかもしれません。
冬の寒さに耐えきれず、落鳥してしまうかもしれません。
でも、それでいいんです。野生とはそういうもの。
今でもメジロの声が聞こえると、あの日のことを懐かしく思い出します。
少しの間、私たち家族と時間を共有していた、小さな緑の鳥のお話でした。